日本看護学教育学会誌
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原著
ウェブを活用した看護系大学生によるディスカッションの特徴
-WebDの実施前後とその過程を通して-
平川 善大大池 美也子能登 裕子
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2017 年 27 巻 2 号 p. 1-14

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抄録

〔目的〕ウェブを活用した看護系大学生によるディスカッション(以下、WebD)の特徴を、WebD実施前後の比較とWebDの過程(WebDの流れと思考の特徴)から明らかにする。

〔方法〕看護系大学生2年生48名を研究参加者として、6つの課題によるWebDを実施した。WebD実施前後にディスカッション能力と批判的思考態度に関する質問紙調査を行い量的に分析し、WebDの過程を「WebDの流れ」と「思考の特徴」の視点から質的に分析した。

〔結果〕WebD実施前後において、研究参加者のディスカッション能力に対する自己評価が上昇し、ディスカッションに対する「親和性」と「論理的思考への自覚」が高まった。学生によるWebDの特徴として、「WebDの流れ」では【討議の話題を広げたり進めたりする】、【メンバーの意見を支援する】など10の分類名が見出された。「思考の特徴」は《状況をイメージして提案する》《明確な証拠や理由を求める》など5つの分類名が見出された。

〔考察〕WebD実施前後の質問紙調査とWebD過程の分析結果から、WebDが看護系大学生にディスカッションへの肯定的な参加をもたらしたり、Web上でディスカッションを行いながら思考の育成に貢献できることが示唆された。

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