2017 年 27 巻 2 号 p. 41-53
〔目的〕信頼性・妥当性を備えたツールを作成し、インストラクショナルデザインに基づき設計したシミュレーション演習プログラムの学習成果およびプログラム評価を行う。
〔方法〕A大学の看護学生を対象とし、Human Patient Simulation Manikins(HPSMs)を用いた事例シナリオによる演習を実施した。評価用質問紙は無記名とした。評価ツールは、項目分析、確証的因子分析、ω係数を用いて検討した。学習成果、プログラム評価の比較にはt検定もしくはU検定を用いた。
〔結果〕分析対象は142名であった。学習成果として、高次の認知能力、情意領域を評価するツールが構築された(GFI ≧ 0.950、RMSEA ≦ 0.08、ω ≧ 0.8)。プログラム評価ツールの信頼性、妥当性も確認された。高次の認知能力は有意に上昇し(p< .001)、情意領域の評価は項目平均値が4点以上と高かった。異なる事例シナリオを用いた2群間で学習成果、プログラム評価に有意差はなかった。
〔考察〕以上の結果は、プログラムの有用性を裏付ける知見と考えられる。高次の認知能力すなわち実践を導く思考過程の能力が演習によって高まることが示された。