2021 年 30 巻 3 号 p. 101-113
要旨:
〔目的〕大学病院看護師の看護研究への取り組みと関連要因を明らかにする。
〔方法〕看護研究への取り組み、リサーチマインドを育むための方略、看護研究を行うために組織に求める支援で構成した自記式質問紙をA大学病院の看護師および助産師1,139名に配布し、無記名個別投函により回収したデータを統計学的に分析した。
〔結果〕有効回答908名分を分析した結果、臨床における看護研究経験「あり」が73.7%、専門看護分野「あり」が11.2%、継続・発展させて取り組んでいる研究テーマ「あり」が11.8%、看護研究に関する研修・学会などの参加「あり」が63.6%、看護研究成果を臨床看護に「非常に」、「時々」活用しているが27.3%であった。これらの取り組みは看護専門資格者、5年以上の臨床経験者、修士課程修了者、学会所属者に有意に多かった。
〔考察〕次世代型ケアを創出できる大学病院人材の育成には、看護師の研究体制および組織の支援体制の必要性が示唆された。