2021 年 31 巻 2 号 p. 121-133
〔目的〕大学病院で病棟勤務の主任看護師の役割遂行の実態および関連要因を明らかにする。
〔方法〕全国の100床以上の大学病院53施設で病棟勤務の主任看護師1,786名を対象とした。個人特性、組織関連特性、役割遂行、看護実践の卓越性について質問紙調査を実施した。役割遂行と要因との関連をステップワイズ法による重回帰分析で検討した。
〔結果・考察〕有効回答847部(回収率51.1%)を分析した。役割遂行の実態は比較的高い得点を示した。関連要因については、看護実践の卓越性自己評価尺度と有意な正の相関を示した。また自己研鑽・学習力、教育担当者の経験、主任看護師の職務記述書が関連していた。看護実践の卓越性が主任看護師の役割遂行に関連することから、計画的に専門領域の看護実践に秀でるように努力してきた者を主任看護師に任命することの有効性が示唆された。また自己研鑽の機会提供や職務記述書により主任の役割や能力を明確化する等の組織的な支援の重要性が示唆された。