p. 691-696
近年,工学の分野では,パターン認識によるデータ判別技術がより重要になってきている.例えば,最近のデジタルカメラには,人間の鼻や口といった特徴的な形状から,画像中の顔部分を検出する機能がある.パターン認識はこれら画像処理の他にも,音声認識など,様々な分野で応用が見られる.またパターン認識の手法としては,線形判別分析(LDA)やサポートベクターマシン(SVM)といった手法がしばしば用いられる.しかしこれらの手法では,円や直線といった幾何的なデータ特徴を考慮していないことが多い.そこで本稿では,Conformal Geometric Algebra (CGA)を用いたデータ分布の近似手法を導入することで,元空間での幾何的なデータ分布を反映したパターン認識手法を提案する.人工データ及びベンチマークデータに提案手法を適用し,従来法との比較実験により,提案手法の性能に対する検討を行う.