2022 年 31 巻 3 号 p. 23-34
〔目的〕臨地実習で終末期の患者を受け持った看護学生の成長に関連した体験を明らかにすることを目的とした。
〔方法〕成人看護学実習で終末期の患者を受け持った学生10名に終末期の患者・家族にどのようにかかわり、その時の学生の考えや思いを中心に話してもらい、その内容を質的帰納的方法で分析した。
〔結果〕終末期の患者を受け持った学生の成長に関連した体験には、心理的にも患者のそばに行こうとする【患者・家族とのかかわり】によって【自己を見つめる】ことにつながるかかわりがある一方で、患者を避けるようなかかわりがある。そして、前者を強め、後者から抜け出せるような【一歩踏み出すきっかけ】が明らかとなった。
〔考察〕臨地実習において、終末期の患者を受け持つ学生の不安を軽減し、心理的にも患者・家族のそばに行くかかわりができるようになるための支援が必要である。