2025 年 35 巻 2-1 号 p. 1-13
〔目的〕看護学生の成人看護学(慢性看護学)実習における外来看護実習で得られた学びを明らかにする。
〔方法〕学生によるKJ法を参考にしたグループでの学びの共有時に外来看護実習の学びとして示されたカードの記述内容について質的帰納的に分析した。
〔結果〕成人看護学実習(外来看護実習)で得られた学生の学びは、外来看護の場の特性として時間的制約のある中での情報収集や診療・検査の効率性をサポートする看護、外来看護師の役割として患者の生活状況を捉える情報収集や家族への支援、セルフマネジメント支援、多職種との連携に向けた調整などの8つのコアカテゴリで示された。
〔考察〕学生の学びは抽象度が高く、地域で生活する患者のリアルな生活実態を捉えた対象理解やその状況に応じた具体的な実践に結び付く学びになっていたかは不明瞭であった。今後は外来看護の多様性・複雑性に対応した実践につながる講義や演習、実習のプログラムを検討する必要がある。