2025 年 35 巻 2-1 号 p. 15-28
〔目的〕看護基礎教育機関においてCOVID-19禍で行われたICTの整備と活用の実態について専門学校と大学で相違があるのかを明らかにする。
〔方法〕対象の教育機関を専門学校と大学に分類し、ICTの整備状況と活用の割合について、χ2検定またはFisherの正確確率検定を用いて比較した。
〔結果〕専門学校は教員用デバイスや有線LANで整備実施割合が有意に高かったが、遠隔授業支援のための人材やマニュアルなどの整備は有意に低かった。ICTの活用では、学習管理システムなどで大学の活用割合が有意に高く、資料配信などの授業時間外での活用方法でも全ての項目で大学の活用割合が有意に高かった。
〔考察〕教育機関に限らずICTの環境は整ったが、ICTを活用した教育方法には専門学校と大学で差があり、今後は専門学校に対してICTの設備整備やノウハウの共有、人材確保などの支援が必要であることが示唆された。