1997 年 7 巻 1 号 p. 11-20
大学で看護学を履修する学生15名の4年生修了直前の時期における、他者の病気体験に対する想像の内容を調べた。方法は自由記述式の質問紙調査法とし、回答結果は記述内容の文脈を複数の研究者で要約し、この要約文を分類して分折した。また同一学生が2年生時に記述した同一質問に対する回答文を同様に分析し、今回の4年生時と比較検討した。結果として4年生では、病気体験に対する想像内容はのべ49件の文脈に分類され、さらに共通性により12種の内容としてまとめられ、その内容をコード化した。内容は、大別して、苦しみ、不安、焦りなど「苦痛への共感的理解」(67%)と「病気体験への解釈的理解」(33%)から成り立っていた。2年生時の想像内容でもこの大別された二つの面は同様に記述されていたが、「苦痛への共感的理解」の中の「不安」の割合が93%と多く、4年生では、「苦しみ」や「焦り」と同率程度で「不安」が記述されていた。また「病気体験への解釈的理解」は2年生時に比べ4年生では、より客観的な見方で、体験への「影響要因」を記述することが多くなっていた。