北ヨーロッパ研究
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論文
フィンランドの農村地域
農村政策と住民参加による農村の維持と活性化
田中 里美
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 9 巻 p. 13-22

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抄録

フィンランドでは1990 年代の不況期を経て地域間の格差の拡大に関心が高まった。差は、都市部自治体と農村部自治体の間で見られ、農村部の自治体の中でも、都市近郊農村自治体と過疎自治体の間に認められる。格差拡大の抑制のため、現在、人口流出が続く過疎自治体においても、十分な人口が確保される必要がある。 フィンランドには、他のOECD諸国に先駆けて、農村をターゲットにした農村政策が登場した。現在では、これが農村住民の生活の維持、農村の活性化に働いている。また、フィンランドには、1970年代に遡る村運動が存在している。フィンランドでは1995 年のEU 加盟後、EUの農村開発手法であるリーダー事業を取り入れ、EUの農村開発資金が活用できるようになった。これにより、住民による農村の維持、活性化が強化されている。

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2013 『北ヨーロッパ研究』に掲載された著作物の著作権は,著者に帰属するものとします.
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