北ヨーロッパ研究
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研究ノート
フィンランドにおけるイノベーション政策の変容
進化プロセス・ガバナンス型政策の出現
徳丸 宜穂
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ジャーナル オープンアクセス

2013 年 9 巻 p. 55-64

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抄録

先進国におけるイノベーション政策の重点が、エネルギー、ヘルスケア、環境など、規制・法制度や文化のあり方がイノベーションに大きな影響を与える領域にシフトするにつれて、政策アプローチにも刷新が必要になることは十分予想される。 本稿では、この事態に果敢に挑戦しているEU、フィンランドのイノベーション政策を検討し、近年の政策アプローチの変容を明らかにする。第1 に、政策文書の検討により、新しいアプローチである「需要・ユーザ主導型イノベーション政策」がEU レベルで採用されており、フィンランドは理念面・ 実践面でこれを先導していることを示す。第2 に、この政策転換は政策プロセスの変質を伴っており、現れつつある政策プロセスは「進化プロセス・ガバナンス型」と呼びうることを明らかにする。 この変質は政策担当者に新たな組織体制と能力を要請しているが、公的部門がイノベーション推進に果たしうる一つの可能性を示唆している。

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2013 『北ヨーロッパ研究』に掲載された著作物の著作権は,著者に帰属するものとします.
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