動物心理学年報
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獲得期における部分強化の配置が消去に及ぼす効果について (シロネズミ) (その1)
青柳 肇
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1972 年 22 巻 1 号 p. 9-20

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抄録

本研究は, シロネズミの走路学習において, 消去直前に, 連続強化を挿入した事態での強化配合-ランダム50%報酬群 (P群), 0%報酬群 (N群), 100%報酬群 (C群) -が消去抵抗にいかなる効果をもつか, 走路を3セクションに分けて検討した。その結果次の事が得られた。
1) P群の遂行がN群より優り, N群はC群より優る傾向となり, 獲得期における無報酬を含む事態が持続効果を有する事が証明された。しかし, 無報酬と報酬との相互作用には更に検討する必要のある事が示唆された。
2) 獲得期における強化配合の効果は, 消去における出発箱走行で有効に作用し, 目標籍走行に近づくに従って, 更に日数の経過とともに弱まっていった。また遂行水準は, 出発箱走行より目標箱走行で高くなった。
消去期における目標箱での出来事には, 獲得期の無報酬時と異なるメカニズムが存在するのではないかという事が示唆された。

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