DRLLスケジュールに見本時問を付加した修正DRLLスケジュールを用いて, デンショバトにおける時間弁別行動の分析を行なった。用いた最小強化潜時 (t) は0.93秒から7.65秒の範囲であり, tと同じ長さの強化の制限時間 (limited hold) を設けた。その結果, 1) 潜時の分布は単峰性を示し, しかも最頻値はtの付近で見られ, 2) 平均潜時 (T) はtのベキ関数として記述可能 (T=1.3t0.88 : Tおよびtの単位は秒) であることなどが明らかにされた。しかし訓練終了後, テストとして無強化事態で0.55秒から12.41秒にわたる7種類の見本時間に対する潜時を測定したところ, 見本時間は潜時を統制するに至らなかったことが判明し, 見本時間による潜時の刺激統制の確立が課題として残された。