論文ID: 2024.11
悪臭防止法による規制で用いられている臭気指数は,人間の嗅覚による臭気の測定結果から算定される.この臭気指数の誤差を抑え精度を向上させるため,複数のパネルによる測定や複数回の測定の結果をもとにその値が計算されている.本研究ではパネル選定が臭気指数に与える影響について確率論的手法(CDE法)を用いて定量的に分析する.ここでは偶然の的中を考慮しパネルの嗅力分布が対数正規分布であり,個人内変動は起こらないという状況を仮定し,パネルの人数の変更や一定以上の嗅力を持つパネルに制限した場合について臭気指数を試算した.得られた試算結果から,臭気指数の測定においてパネル数の増加,複数機関による測定,嗅力の低いパネルの除外は,臭気指数のばらつきの低減に効果があると言える.