自閉症スペクトラム研究
Online ISSN : 2434-477X
Print ISSN : 1347-5932
事例研究(投稿論文)
自閉症男児のインクルーシブ教育への挑戦(1)
境界線レベルからの脱却(幼児期)
小林 重雄山本 孝子
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 10 巻 2 号 p. 81-87

詳細
抄録

知的に境界線レベルにある幼児(年長クラス)が、発達予測(つまづき予測)も含む「アセスメント」に基づいて、発達センター(大学)・幼稚園(半年)・小学校(3 年)・家庭とのチームワーク下で積極的・計画的な支援を受けてきた経過をまとめたものである。「後追い」教育を廃し、「先取」教育を強力に導入した。結果として、少なくとも小学校3 年までアカデミックスキルに遅れを示すことなく学校生活を送ってきた。4 年生では、それ以降の課題克服に取り組んでいる。該当児の場合、「他者とのかかわり形成への支援」、「言語刺激からのイメージ化の促進」、「数の概念学習」が主要な補強ポイントであった。

著者関連情報
© 2012 NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
前の記事 次の記事
feedback
Top