2024 年 21 巻 2 号 p. 19-29
本研究では、軽度知的障害を伴う自閉スペクトラム症者を雇用する事業主が、障害者雇用で配慮していることについて、関西圏にある事業所の事業主に調査を依頼し基礎的資料を得た。その結果を基に、自閉スペクトラム症者の上司や同僚に面接調査を実施し、訪問型職場適応援助者注)からの援助により、障害者雇用に対する認知変容がどのようなプロセスを経てもたらされるのか、訪問型職場適応援助者が雇用現場に及ぼす影響について分析した結果、訪問型職場適応援助者からの援助は、上司や同僚の不安を低減させるだけでなく、彼らの自発的な行動を促し、障害者雇用のイメージをポジティブに捉え直すきっかけになっていた。