日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
ふじに含まれるphosphatidylcholineの分子種よりみた低温障害機構の一考察
木村 繁昭鳴海 文昭岡本 辰夫
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1988 年 35 巻 12 号 p. 823-827

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抄録
収穫直後および冷蔵5, 7, 9カ月後のふじ果肉に含まれるphosphatidylcholineの分子種を硝酸銀TLCで調べた結果,次の事項が明らかになった.
(1) 収穫直後は不飽和脂肪酸組成比が100%ないしそれに近いバンドが検出され,しかも18:3組成比が50%以上であり,ふじが低温障害を起さない大きな原因の一つと推定された.
(2) 冷蔵5, 7, 9カ月後でも,不飽和脂肪酸組成比が80%以上のバンドが検出され,ふじが低温障害を起さず,貯蔵性のよい原因の一つと推定された.
(3) 分子種の種類は冷蔵7カ月以上になると減少したが,その場合でも不飽和脂肪酸組成比80%以上の分子種の存在が明らかになった.
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