主催: 日本学術会議「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本船舶海洋工学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 日本伝熱学会, 日本計算工学会, 農業土木学会
風成海洋循環論における一様化仮説に肯定的に答えるために、粘性西岸境界層で閉じた(非渦解像)亜熱帯循環の時間発展を、海面摩擦と海底摩擦を含む2層準地衡流モデルを用いて調べた。下層の特性線に囲まれたプール領域のポテンシャル渦度が摩擦係数に関して漸近的に一様になる場合が存在することを示す。海底摩擦を経由して注入される循環スケールの渦度は小さいが、西岸強化によってO(1)のポテンシャル渦度アノマリがつくられる。このアノマリが特性流によって効率的に内部領域に移流され、プール領域のポテンシャル渦度をその境界における値で満たす。一様化のプロセスは移流によって支配されており、流体粒子が亜熱帯循環を1周する間に完了する。定常状態では(Rhines-Young理論と異なり)摩擦による渦度注入と移流が高次でバランスしている。このような一様化が起こるのは、初期のアノマリがプール境界の値を超えないように摩擦係数の比が特定の範囲にあるときである。このことは、適当な非粘性極限のもとでもポテンシャル渦度が一様なプール領域が存在しうることを示唆している。