主催: 日本学術会議「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本船舶海洋工学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 日本伝熱学会, 日本計算工学会, 農業土木学会
独立行政法人海洋研究開発機構では、2004年度より、関東南岸の東京湾、相模湾、駿河湾及び伊豆諸島を含む海域を対象とした、高解像度の沿岸海況予測システムを開発している。黒潮などの外洋の変動を考慮したシステムの開発を目指しており、現在は、沿岸の海況を考慮する上で重要となる潮汐に絞った検討を進めている。 複雑な地形を高精度に表現するため水平解像度は1/108°とし、側面の境界条件は松本海洋潮汐モデル(松本ほか 2000)のアウトプットより主要4分潮(M2,S2,K1,O1)を内挿して与えている。モデルの予測精度を検証するため計算結果と観測結果との比較を行い、モデルが十分な予測精度を持つことを確認した。また、駿河湾と相模湾ではそれぞれ異なる周期の内部潮汐が卓越することがモデルで表現されていることも確認した。この海域における内部潮汐の主な発生源とされている伊豆海嶺上では、島の周りを中心に強い順圧潮流が発達しており、現在、内部潮汐の生成や伝播の過程に対する定量的な評価を進めているところである。