主催: 日本学術会議 機械工学委員会・土木工学・建築学委員会 合同IUTAM分科会
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本材料学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本船舶海洋工学会, 日本伝熱学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 農業農村工学会
ゴム材料は,精密機器や美術品の振動の低減を目的として,防振・制振装置などに広く応用されている.これらの装置においてゴムの受けるひずみレベルは最大で50%程度であることから,本研究では,この範囲において防振用ゴム材料の力学特性を詳細に把握し,そのモデル化を行うことを目的とする.具体的には,まず,動的載荷実験を行い振動数およびひずみレベルの変化に対する材料の力学特性を詳細に把握した.特に,履歴ループから得られる損失正接のひずみに対する変化をみると,ひずみ10%前後でピークがあることがわかった.次いで,既往の粘弾性ダメージモデルを用い,実験結果のモデル化を試みた.その結果,履歴ループの振動数依存性は比較的よく近似できたものの,ひずみ依存性の傾向を完全には再現できなかった.そこで,著者らがこれまでの研究で開発した粘弾塑性ダメージモデルにおいて,ひずみ量により粘弾性から弾塑性に変化していくよう拡張し適用したところ,上述したひずみ依存性を比較的よく再現することに成功した.