主催: 日本学術会議 機械工学委員会・土木工学・建築学委員会 合同IUTAM分科会
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本材料学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本船舶海洋工学会, 日本伝熱学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 農業農村工学会
著者らはこれまでに,非晶性ポリマの塑性変形の素過程を分子鎖のキンク回転と捉えることで,結晶塑性論の体系に類似した分子鎖塑性モデルを構築した.しかしながら,構造材料としてよく用いられるのは非晶質部分と結晶質部分が混在する結晶性ポリマであるため,本モデルを結晶性ポリマに拡張させる必要性がある.そこで,本報では,非晶質部分には分子鎖塑性モデルを,結晶質部分には通常の結晶塑性論を採用することで,結晶性ポリマの変形挙動を結晶塑性論の体系によって統一的に表現する.さらに,均質化法を導入することで,微視的な分子鎖スケール,非晶質部分と結晶質部分の混在したラメラ結晶スケールおよび巨視スケールという3階層を橋渡しするトリプルスケール分子鎖塑性モデルを構築する.以上のモデルを用いてFEM解析を実施し,ユニットセル内の結晶質部分の個数および初期方位がユニットセル全体の変形挙動に及ぼす影響について考察する.