理論応用力学講演会 講演論文集
第59回理論応用力学講演会
セッションID: 2E11
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OS10  塑性力学におけるマルチスケールとマルチフィジックス
分子鎖塑性モデルに基づく均質化法を用いた結晶性ポリマに対するマルチスケールシミュレーション
*水澤 文彦宮越 亮丞志澤 一之
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抄録

著者らはこれまでに,非晶性ポリマの塑性変形の素過程を分子鎖のキンク回転と捉えることで,結晶塑性論の体系に類似した分子鎖塑性モデルを構築した.しかしながら,構造材料としてよく用いられるのは非晶質部分と結晶質部分が混在する結晶性ポリマであるため,本モデルを結晶性ポリマに拡張させる必要性がある.そこで,本報では,非晶質部分には分子鎖塑性モデルを,結晶質部分には通常の結晶塑性論を採用することで,結晶性ポリマの変形挙動を結晶塑性論の体系によって統一的に表現する.さらに,均質化法を導入することで,微視的な分子鎖スケール,非晶質部分と結晶質部分の混在したラメラ結晶スケールおよび巨視スケールという3階層を橋渡しするトリプルスケール分子鎖塑性モデルを構築する.以上のモデルを用いてFEM解析を実施し,ユニットセル内の結晶質部分の個数および初期方位がユニットセル全体の変形挙動に及ぼす影響について考察する.

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© 2010 社団法人日本建築学会
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