理論応用力学講演会 講演論文集
第59回理論応用力学講演会
セッションID: 3C09
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OS20 離散体の力学
粒子回転に着目した短繊維補強土の強度発現メカニズム
*堀 智之山口 智世前田 健一
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抄録

 短繊維補強土工法は,曲げ剛性を持たない短繊維で地盤を補強する工法である.施工が容易で安価な上,適用範囲が広く,今後の研究・開発が期待されている.本工法では,土粒子とは異なる性質をもつ材料を挿入・敷設することで見かけの粘着力や摩擦力が増加し,補強土構造物全体の強度が増すと考えられてきた.しかし,これだけでは説明できない現象も確認されており,本質的なメカニズムは未だに明らかになっていない.したがって,ミクロな視点から土粒子と短繊維との相互関係を理論的に理解することが必要である.本研究では,2次元個別要素法を用いた短繊維混合土の二軸圧縮試験によって,粒子回転に着目した考察を行った.その結果,短繊維を混合することで接点変位を伴う粒子の回転,並進運動が抑制され,粒子間にせん断強度を発揮させることで応力を伝達している粒子構造を支える役目の粒子構造を生じさせていると考えることができた.

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© 2010 社団法人日本建築学会
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