主催: 日本学術会議 機械工学委員会・土木工学・建築学委員会 合同IUTAM分科会
共催: 日本機械学会, 日本気象学会, 日本地震工学会, 日本物理学会, 農業農村工学会, 応用物理学会, 化学工学会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本風工学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本材料学会, 日本数学会, 日本船舶海洋工学会, 日本伝熱学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会
近年,放射性廃棄物処分や熱エネルギー貯蔵,海底地下資源の開発,高電圧ケーブル埋設など様々な目的で積極的に地盤利用および開発が行われている。これに関連してしばしば課題となるのは,温度変化の影響を考慮した地盤の変形と破壊の予測である。高温条件下あるいは温度変化を伴う環境下における地盤工学上の諸問題は応力ひずみ特性・熱伝導・間隙水の流れが相互に関連した力学現象であるため,熱-水-応力の連成を考慮した数値解析も幾つか試みられているが,計算に用いられている構成モデルが地盤材料の要素レベルでの温度依存特性を適切に考慮しているとはいい難い。本研究では,過去の実験事実をレビューしながら温度変化が飽和土の応力ひずみ特性に及ぼす影響について考察を行い,それに基づいて温度変化の影響を簡潔に考慮した飽和土の構成モデルを提案する。本稿では主に一次元モデルについて説明を行うが,降伏関数を拡張して関連流れ則を仮定するだけで多次元モデルにも容易に拡張できる。