主催: 日本学術会議 「機械工学委員会,土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 自動車技術会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本計算数理工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本混相流学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本船舶海洋工学会, 日本伝熱学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 農業農村工学会, 力学アカデミー
近年,患者数が増加傾向にある小児に多い病気の一つに,川崎病がある.この病気は,心臓の冠状動脈が腫れる血管炎だが,その原因は不明である.現在でも,症状が治まった後,稀に心臓の冠状動脈に巨大動脈瘤が残ることがあり,また,炎症を経験した血管が時間の経過とともに動脈硬化を起こしやすくなるのではないかという,懸念もある.患者には乳幼児が多く,より小さい領域で発生する病気であるため,シミュレーションによる冠動脈内流れの再現が,発症中や治癒後の現象把握への有効な一手段と考えられる.しかし,冠動脈内流れについてのシミュレーション研究は少なく,実施されていても,血管壁を剛体と仮定するなど,実現象を再現できているとは言えないものであった.そこで,本研究では円管を冠動脈とモデル化し,実際の血管壁の特性と近い超弾性を円管壁に仮定し,シミュレーションを実施し,管壁と内部流れによる相互作用の影響について調べた.