主催: 日本学術会議 「機械工学委員会,土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 自動車技術会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本計算数理工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本混相流学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本船舶海洋工学会, 日本伝熱学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 農業農村工学会, 力学アカデミー
超高層建物の設計において、地震応答に大きな影響を与えるとされる減衰定数、特に高次減衰の設定に関しては、日本建築学会の研究成果資料などで示されているが、実務では未だに慣用的な取り扱いが多い。特に、設計で多用される剛性比例型減衰を用いると、応答を過小評価する可能性が指摘されるなど、超高層建物の応答を扱う上で、減衰の検討はなお重要な課題である。本論文では、超高層建物の応答に与える減衰の影響について、高次減衰の設定という観点から、日本建築学会の資料での検討事例などを参考に複数の減衰タイプを設定し、高さや構造種別が異なる6種類の多質点系モデルの弾性地震応答解析を行い、応答性状を相互に比較検討した。その結果、いずれのモデルにおいても、減衰タイプにより1~3割程度の応答の差異が現れることが確認された。主な理由としては、減衰タイプにより高次モードの応答への寄与が異なるためと考えられる。