2026 年 42 巻 p. 37-48
本稿は,新潟県女子体育連盟の事例を通じて,女性のエンパワーメントと体育・舞踊教育団体という二重の特性を有する任意団体が,持続可能な形で存続するための実践と課題を検討したものである。
1988年に女性体育指導者のエンパワーメントを目的として設立された本連盟は,2018年以降の組織改革により,多様性を尊重した理念を新たに掲げ,舞踊教育の推進を明確に位置づけた。新体制下では,これまで可視化されてこなかった連盟の潜在的な資源や強みを生かす構造が導入されたが,依然として会員数の減少傾向は続いており,柔軟かつ構造的な対応が喫緊の課題となっている。
舞踊教育を通じた「創造性」や「自分らしさ」の尊重といった価値観は,現代社会における多様性と社会的包摂の要請において,その意義は一層高まっている。今後は,性別や所属にとらわれない「個」に着目し,ウェルビーイングの視点を組織運営に取り入れることが求められる。急速に変化する社会的価値観を的確に捉え,歴史的・文化的意義を継承しながらも柔軟かつ多角的な議論と意思決定を行うことが,本連盟の持続的成長に不可欠である。