日本精神保健看護学会誌
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AAに参加する女性アルコール依存症者の回復過程における困難さと女性メンバー同士の体験
片丸 美恵影山 セツ子
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2008 年 17 巻 1 号 p. 82-92

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抄録
AAに参加している女性アルコール依存症者7名を対象に半構成的面接を実施し、女性アルコール依存症者の回復の困難さと女性メンバー同士の体験について考察した。結果は質的帰納的に分析し、10のカテゴリーを抽出した。女性アルコール依存症者の回復過程における特徴的な体験として【女性アルコール依存症者の回復の困難さ】、【家族関係や対人関係の変化】、【女性メンバーに抱いた両価性】という3つのカテゴリーが抽出された。両価性を持つ女性アルコール依存症者同士の共感は、自らの女性性と対峙することを可能にし、女性アルコール依存症者同士が親密な関係を築く体験は、彼らの対人関係に新しい変化をもたらすものであった。そして、妻や母親としての役割葛藤は、再飲酒につながると依存症からの回復を困難にするが、その一方で断酒への動機にもつながり、女性アルコール依存症者に特徴的な体験であることが示唆された。
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© 2008 一般社団法人日本精神保健看護学会
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