日本精神保健看護学会誌
Online ISSN : 2432-101X
Print ISSN : 0918-0621
ISSN-L : 0918-0621
最新号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
研究報告
  • 児屋野 仁美, 香月 富士日
    2018 年 27 巻 2 号 p. 1-9
    発行日: 2018/11/30
    公開日: 2019/11/30
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,精神科看護師の感情労働と精神障害者に対する否定的態度がバーンアウトにどのように影響しているかを明らかにすることである.精神科看護師に1)感情労働尺度,2)個人的スティグマ尺度,3)日本版バーンアウト尺度(MBI),基本属性からなる自記式質問紙調査を実施し,640名の回答を得た.日本版バーンアウト尺度の各下位尺度を従属変数とした重回帰分析の結果,感情労働下位尺度の「感情への敏感さ」,「感情の不協和」,「患者へのネガティブな感情表出」は促進的に,「患者への共感・ポジティブな感情表出」は抑制的にバーンアウトに影響していることが示された.また,否定的態度はバーンアウト下位尺度の「情緒的消耗感」と「脱人格化」に正の回帰を示し,精神障害者に対して否定的態度を持ちながらも看護しなければならないという矛盾する状況は葛藤を生むことが示された.

  • 瀧下 晶子, 出口 禎子
    2018 年 27 巻 2 号 p. 10-18
    発行日: 2018/11/30
    公開日: 2019/11/30
    ジャーナル フリー

    本研究は,民間の精神科病院に勤務する2年目の看護師がどのような精神科看護の体験をしているのか実態を調査し,就労継続の支援を考える資料を得ることを目的としている.データの収集は,6名の2年目の看護師に対して,半構造的インタビューを行った.データの分析は質的記述的手法で行った.

    その結果,2年目の看護師は【ケアの意味の広がり】,【悩みや困難感から抜け出せない】,【自身の現状と向き合う】,【職場や職場外からのサポートを得る】といった体験をしていた.これらの体験を経て,2年目の看護師は精神科看護に携わり続けていたが,《身体的看護技術への不安》を持ち,《自分の看護ケアに確信が持てない》でいた.

    これらのことから,2年目の看護師に対して自信を持てない看護場面で支援を得ることができるようにする必要性があると考えられた.

  • 水埜 ゆかり
    2018 年 27 巻 2 号 p. 19-28
    発行日: 2018/11/30
    公開日: 2019/11/30
    ジャーナル フリー

    この研究の目的は,精神科療養病棟で「怒鳴る」という行為を続ける高齢患者とのかかわりを記述することを通して,その行動の意味を明らかにしようとするものである.研究参加者は高齢で,車いすや歩行器を使用している女性患者3名で,週1回,計50回フィールドワークを行った.

    その結果,研究者が怒鳴られても辛抱強くかかわり続け,率直な自分の感情を伝え続けるうちに,怒鳴るという行動は和らぎ,感情を押し殺すのでも,かといって爆発的に噴出させるのでもなく,言葉のやり取りを楽しむようになった.そして,彼らはこれまで身体の自由を含め,喪失や非道処遇(虐待)を繰り返し体験しており,「怒鳴る」背景には孤独と不信,甘えたくても甘えられないことへの憤懣,思いが通じ合わないことへの苛立ちがあることが明らかになった.言葉によるコミュニケーションが不可能のようにみえた患者たちも,自分を表現する力をもち,その機会を待っていたのであった.

  • 庄司 寛子, 児玉 豊彦
    2018 年 27 巻 2 号 p. 29-37
    発行日: 2018/11/30
    公開日: 2019/11/30
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,就労継続支援B型施設を利用する精神障がい者が希望する看護ケアを明らかにし,利用者に適した看護ケアへの示唆を得る事である.研究方法は,5か所の就労継続支援B型施設を利用している精神障がい者に,希望する看護ケア,悩みの相談相手に関して質問紙調査を行った.調査の結果,87部配布し,回収数59部(回収率:67.8%),そのうち54部を有効回答とした.利用者は施設スタッフ,主治医,家族に悩みを相談していた.看護師への相談は10%以下であった.施設利用者のうち半数以上の者が,「ストレス対処」,「精神的悩み」,「仕事」,「将来のこと」「生活全般」「人づきあい」「身体症状」「活動・休息」「薬」「食事」についての看護ケアを希望していた.本研究の結果から,多くの就労継続支援B型施設の利用者は将来就労を希望していることが明らかになった.看護師は,就労継続支援B型施設の利用者に対して,利用者が仕事をするための生活を支えるという視点を持ちアセスメントやケアを行う必要があると示唆された.

  • 西山 涼子, 上村 文昭
    2018 年 27 巻 2 号 p. 38-45
    発行日: 2018/11/30
    公開日: 2019/11/30
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,精神疾患患者に対してPNS体制で看護を行うことが,患者に不安やストレスを感じさせているのかを明らかにすることである.任意入院した患者を対象に,STAIを使用し調査した.

    PNS体制導入前後において2日間ずつ状態不安の調査を行った.PNS体制導入前の状態不安の平均得点が33.8(±7.9)点でありPNS体制導入後の状態不安の平均得点が30.8(±7.5)点であった.PNS体制導入前後の状態不安の平均得点において,有意な差が認められた.

    うつ病の患者と統合失調症の患者の状態不安の平均得点は,PNS体制導入前よりも導入後において低くなっており,評価基準段階においても「普通」から「低い」に変化した.このことより,精神科の1病棟において,看護師2名で担当するPNS体制導入前後で,精神科病棟入院患者の状態不安の平均得点が有意に減少したことが明らかとなった.

資料
その他
第28回日本精神保健看護学会学術集会
大会長講演
教育講演
シンポジウム
理事会企画ワークショップ
feedback
Top