抄録
目的 精神科における外来者体験実習に臨んだ看護学生が,看護師に提供してもらいたいと感じた看護ケアの内容を分析し,この実習で学びうる学習内容について示唆を得ることである.方法 精神科外来者体験実習に臨んだ36名の看護学生の実習記録をデータとし,フレームワーク・アプローチを用いて分析した.結果および考察 看護学生が望んだ看護ケアとして,【温かい気遣い】【看護相談】【診療介助】【プライバシーの配慮】【待ち時間の負担軽減】【安心できる環境作り】【療養に必要な情報の提供】【家族への支援】という8つの看護ケアを示すカテゴリーが抽出された.また,外来看護師の望ましい態度として【余裕を持つ】ことが挙げられた.この外来者体験実習において,学生はこれまでの知識や経験を踏まえて,患者の立場になってより良い外来看護ケアについて考察したことが示唆された.