日本精神保健看護学会誌
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研究報告
精神疾患を発症した子をもつ中年期の親の経験―家族ピア活動に参加した親の経験を踏まえた支援のあり方―
野海 直子蔭山 正子
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2016 年 25 巻 2 号 p. 41-50

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抄録

中年期(45~64歳)の親への支援のあり方を検討するために,家族ピア活動に参加した中年期の親に焦点を当て,子の精神疾患発症からの経験を記述することを本研究の目的とした.質的記述的研究を行った.研究協力者は,母親11名,父親1名の計12名,56.8±5.5歳であり,精神疾患に罹患している子14名は,25.2±4.6歳であった.これまでの経過と経験,感じた困難と対処を中心にインタビューを行った.逐語録から家族の経験に焦点を当てコード化し,時系列に沿ったカテゴリ化を行い,テーマを生成した.

分析の結果,『子とともに学びあい回復・成長を目指す』というテーマと,4つのカテゴリ《今まで通りに子へ対処》《状況の変化に無力で孤立》《子の回復に向けて模索》《子とともに学びあいながら回復・成長》が生成された.中年期の親を支える際には,子の回復を支える関わり方に「気づき」が生まれるような家族ピア活動が重要であることが示唆された.

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© 2016 日本精神保健看護学会
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