日本精神保健看護学会誌
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研究報告
思春期精神科看護師の治療の場のルールに対する捉え方
毛利 智果
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2016 年 25 巻 2 号 p. 22-29

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抄録

本研究の目的は,思春期精神科看護師が治療の場のルールをどのように捉えているかを明らかにすることである.研究対象は,思春期精神科病棟もしくは思春期の利用者を対象としたデイケアに3年以上勤務する看護師8名である.データはインタビューガイドを用いた半構造化面接にて収集し,比較検討しながら抽象度を高め,サブカテゴリー,カテゴリーを生成した.結果,看護師は治療の場のルールを[子どもの身を守る手段],[子どもが疾患や障害を持ちながら他者と上手く関わっていくための手段],[集団生活を維持するための手段],[子どもが大人の作った枠を越える手段]と捉えていたことが明らかになった.またこれらの手段となるルールには階層があるとともに,子どもの課題を達成させるための手段としてルールを用いることは,思春期精神科看護の持つ大きな役割であると考えた.

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© 2016 日本精神保健看護学会
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