日本精神保健看護学会誌
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原著
うつ病をもつ人における自殺再企図の経験
安達 寛人長谷川 雅美
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2024 年 33 巻 1 号 p. 28-36

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抄録

本研究は,うつ病をもつ人の自殺再企図の経験について明らかにし,自殺再企図を予防するための看護への示唆を得ることを目的とした.うつ病をもつ自殺企図を2回以上繰り返した人5名に,自殺企図の経験等について半構成的面接で尋ねた.得られたデータをGiorgiの科学的現象学的アプローチをもとに分析した.

うつ病をもつ人は,心理的な苦痛を蓄積させ,【制御を超えた閉塞的状況の持続によって自殺に追い込まれ】ていた.死ぬことが解決方法と考えた状態で引き金となる精神的な揺さぶりがあり,【つらい現実からの解放を求めた衝動的な自殺行動】を起こして【死への欲動に駆られた自殺行動への突進】に至っていた.同時に,迷いや心残りを有し【確実な死の決行からの意識・無意識の撤退】をしていた.自殺企図の後も根本的な問題は解決していなかった.

自殺企図を当事者の視点で理解し,死からの解放につながるセルフコントロールと看護支援が重要と示唆された.

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© 2024 日本精神保健看護学会
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