抄録
現在の高度に発展したコンピュータの利用環境の下で,様々なモデリング手法が開発され,これまでは十分な解析が難しかった複雑な非線形構造を内在する現象の分析が可能となりつつある.本稿では,階層型ニューラルネットワークの一つである動径基底関数ネットワークに基づく非線形判別問題について検討し,モデルの複雑さの程度を調整するパラメータを基底関数に導入した非線形識別・判別関数を提案する.モデル構築に当たっては,基底関数の個数,正則化パラメータ等の選択が本質的となるが,これらの選択を情報量,及びベイズ理論の観点から考察したモデル評価規準をそれぞれ導出する.また,諸分野で蓄積されつつある実データおよび人工データの解析を通して,提案する手法の有効性を検証する.