抄録
医学研究で必要となる統計計算を整理するために,その背後に潜む医学研究の特殊性について言及し,そこで生じる問題解決の方法論,さらには道具としての統計パッケージの持つべき機能を,一連の医学データ解析の過程の中で考察を行った.特に,統計パッケージとの関連に於て,臨床医学データの時間的にくり返しのある三次元構造の取扱いの重要性を強調した.さらに,日米比較の観点から,医学で使用されている統計手法の現状を調べる目的で,日米双方の代表的な二つの医学雑誌に掲載された論文を調査した.その結果から,日米間には,質的にも量的にもかなりの差があることを示し,日本に於ける「医学統計学」の後進国性を明らかにして,この分野における日本人研究者の奮起を促した.