石油技術協会誌
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シンポジウム
高性能層序前進モデリングに基づく砕屑岩および 炭酸塩岩貯留岩の堆積様式理解の促進
グランジェオン ディディエール
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2019 年 84 巻 1 号 p. 59-70

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抄録

深海成砕屑岩を対象としたフロンティア探鉱や,プレソルトのアプト期貝殻石灰岩などの湖成~浅海域の炭酸塩岩システムの探鉱は,南大西洋沿岸域において大規模油・ガス田の発見をもたらした。しかしながら,その石油地質学的理解については依然として未解決問題が多く残る。探鉱・開発リスクの軽減において,正確な堆積相モデルは不可欠な要素であることが知られる一方,とりわけフロンティア地域では,地震探査(震探)データから堆積システムを把握する際には常に困難が付きまとう。震探データや物理検層データの過去数十年間の蓄積や,ビッグデータ利活用に関する近年の技術発展などに基づくハイテク技術ソリューションは,地下地質のイメージングや貯留岩スケールの潜在性を大きく向上させることに一役買ったが,利用可能なデータが著しく限定されるフロンティア地域においては,これらのアプローチはいまだ最適なプレイ評価手段には成り得ていない。 これらの探鉱技術課題に対し,我々は高度数値層序前進モデルDionisos を用いた革新的な統合ワークフローを提案する。すなわち,堆積過程の数値シミュレーションを通して広域堆積システムの動的挙動を捉える手法であり,得られた結果は物探解釈,地質概念モデル,フィールド評価の間のギャップを埋める,いわば橋渡しの役割を果たす。 層序前進モデリングはプロセスベースの計算手法を採用していて,堆積盆地の構造発達,堆積物の生成,堆積物運搬などを考慮した堆積盆地や堆積システムの発達について,過去から現在に至るまで単位時間ごとに再現する。 本稿では,深海成タービダイトシステム,および浅海成の厚歯二枚貝が卓越する炭酸塩プラットフォームの事例紹介を通して,同ワークフローの有用性を説明する。同ワークフローは探鉱初期段階の広域堆積システム解析は勿論のこと,フィールドの開発段階や評価段階においても有用であり,砕屑岩システム,炭酸塩岩システム,およびこれらの混合システムにおける貯留岩不均質性をより良く理解する際にも役立つ。

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© 2019 石油技術協会
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