石油技術協会誌
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シンポジウム
震探会社の新しい可能性-クラウド環境における 効率,精度,透明性を向上させた断層解釈のための機械学習の活用
マンラル スレンダー グラディ フランシスジミーナ オレシヤヴァン デル ホフ ギド
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2019 年 84 巻 1 号 p. 90-94

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抄録

本稿では断層に特化し,クラウドコンピューティングと教師あり機械学習を用いて解釈作業を自動化することによる作業の効率化につながるアプローチを紹介する。 地震探査データの解釈は地下構造や物性解析において重要な意味を持ち,ここ数十年におけるIT 技術の革新は,解釈技術の向上や作業時間の短縮に大きく寄与してきた。 しかしながら近年の地震探査の規模やデータ容量の指数関数的な増加により,今なお解釈作業は時間と労力を要する作業となっている。断層の解釈を例に取ると,対象地域を網羅する断層構造を作成するには熟練した作業者でも数週間から数か月かかることも珍しくはない。断層解釈作業を効率化することで,作業者はこれまで以上に人間の目が必要とされる作業に集中することが可能になる。 機械学習で使われるモデルにはさまざまなものが存在するが,本稿では生体イメージングで使われるモデルを採用した。正確性を期すため,教師データとして熟練者によって精密に解釈されたデータを用いた。地震探査データのデータ容量の大きさと反復的な計算を効率的に処理するため,学習にはGoogle 社のグラフィックプロセッシングユニット(GPU)搭載クラウドシステムを利用した。その後,これらの機械学習モデルを用いて,西オーストラリア地域で取得された未学習データに対して断層パターン予測を実施した。結果,従来のアトリビュート解析と比較しても,主要な断層については正確な予測が見られた。 このように,機械学習とクラウド技術を利用することで,自動的かつパラメーター設定を必要としない断層解釈へのガイドとなる情報を作成することができ,客観性の保持と断層解釈の効率化へ向けたアプローチの可能性が示唆さ れた。

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© 2019 石油技術協会
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