石油技術協会誌
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令和元年度地質・探鉱部門シンポジウム
シェールおよびタイト貯留層を対象とした貯留層キャラクタリゼーション
ナップ リーヴァイ 内田 真之介南條 貴志服部 達也アルダカニ オミドハメド ネイ
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2020 年 85 巻 1 号 p. 35-43

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抄録

JOGMEC では,2014 年よりカナダ天然資源省および同国タイトガス鉱区の開発事業者と共同で,シェールやタイト貯留層の評価技術の開発に取り組んできた。本稿では, 2019 年6 月12 日に開催された石油技術協会春季講演会探鉱技術シンポジウムでの講演内容をもとに,西カナダの上部デボン系Duvernay 層と下部三畳系Montney 層を対象として,有機物のタイプ・含有量や岩石の鉱物組成の違いが貯留層の性状に与える影響について分析した結果について報告する。 Duvernay 層は従来型油ガス田の根源岩層準として広く認知されているself-source 型のシェール貯留層であるの に対し,Montney 層は細粒な砂岩あるいはシルト岩から成るタイト貯留層であり,そこに賦存する炭化水素は上下あるいは側方に分布する別の層準から供給されたものと考えられている。これまでの研究を通じて,Duvernay 層,Montney 層の双方において,岩石内の固体ビチュメンが 貯留層の性状に多大な影響を及ぼす一方,その影響の仕方が両層で全く異なることが明らかとなった。この成果は,self-source 型のシェール貯留層とタイト貯留層のそれぞれにおける孔隙の形成,保持プロセスや貯留層性状分布の不均質性を理解するうえで,重要な示唆を与えるものである。

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