石油技術協会誌
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令和元年度地質・探鉱部門シンポジウム
ガス生産フィールドにおける収録作業と処理上の課題
佐野 成哉タン クオックジョウ ギュハン
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2020 年 85 巻 1 号 p. 44-53

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抄録

既存油ガス田を含むエリアにおいて地震探鉱データの収録を実施する場合,課題の1 つに生産施設の存在が挙げられる。今般,JX Nippon Oil & Gas Exploration(Malaysia)Limited がオペレーターとして保有するマレーシアサラワク沖鉱区において,新たに三次元地震探鉱データの収録を実施した。本調査域には3 つのガス田および複数の探鉱プロスペクトが存在し,加えて海上には2 つのガス生産施設が配置されている。本鉱区の既存三次元地震探鉱データ(1992 年収録)では,ケーブル長やエアガン容量などといった収録パラメーターが昨今の収録スペックに比べて劣るため,特に深部のイメージングや速度構造の不確実性が課題となっていた。そこで,2 つの生産施設に対するアンダーシューティングオペレーションを含む新規三次元地震探鉱データ収録,およびブロードバンド処理を実施することでこれらの課題の解決に向けて取り組むこととした。本稿では,アンダーシューティング技術とその有効性,ならびに収録作業上の課題や制限などについて紹介する。 実際の収録作業においては,結果として計6 本のアンダーシューティング収録を行うことにより,安全上の問題もなく,生産施設周辺エリアにおける十分なデータを補填することができた。また,その後の処理では,既存データ,新規通常データ,新規アンダーシューティングデータの3 つのサーベイデータを適切にマージ・マッチングすることにより,マイグレーション時のエッジ効果などのアーチファクトが抑制されたシームレスな探査記録成果物を作成 することができた。この新規収録作業および処理によって,特に深部の探鉱目的層準に対しては,イベントの連続性やイメージング品質が飛躍的に改善され,より正確な構造解釈および掘削リスク低減の助けとなった。また,低周波数帯域の拡張により,今後のインバージョン処理においても,低周波数モデル構築の際に大きな強みになるものと期待される。

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