シェール層は,二酸化炭素の地中貯留(CCS)においては遮蔽層,在来型油ガス田においてはシール岩の役割を果たし,効果的な地下評価や掘削を行うためにその弾性的特性を理解する必要がある。シェール層の弾性的特性として強い異方性が挙げられるが,これは粘土鉱物の異方性やその配列によるものである。この異方性が地震探査データに及ぼす影響についてはこれまで多く議論されてきており,異方性を考慮したデータ解析を行うことの重要性が示されてきた。一方で,ジオメカニクス分野における異方性の影響についてはあまり議論されておらず,等方性を仮定した解析のピットフォールについて十分に整理されていない。本講演では,まずシェール層の弾性特性的特徴や岩石物理について述べる。次に,シェール層の異方性がジオメカニクス解析に及ぼす影響について議論し,等方性を仮定した解析の問題点を挙げる。最後に,実フィールドで異方性を考慮したジオメカニクス解析を適用する際の課題について述べ,岩石物理が果たす役割について議論する。