抄録
中国の伝統的漢方薬である「益気養血扶正剤」(オウギ,ジュクジオウ,トウキ,ジュクシャ,タイソウ,ロクジョウの6種類から構成される:以下EYFZと略す)の抗腫瘍活性と免疫細胞機能に及ぼす影響を知る目的で,第1 にcolon-26腫瘍細胞株を移植した担癌マウス(BALB/c)を用いて,28日間のEYFZ経口投与が担癌マウスの延命とNK細胞機能にいかなる影響を与えるかについて追究した.実験の結果,EYFZを連続的に投与された担癌マウスの寿命は非投与群と比較して有意に延命することがわかった.特にEYFZの経口投与によって,腫瘍サイズと体重の減少が抑制された.一方,担癌マウスの脾臓細胞を採取して,その中のNK活性を知るためYAC-1細胞への細胞傷害活性をLDH(lactate dehydrogenase)アッセイによって調べた結果,EYFZを投与された担癌マウスでは,非投与群と比較して有意にNK活性が高まることが判明した.これらの結果から,EYFZにはcolon-26を移植された担癌マウスの延命を引き起こす抗腫瘍効果があり,その作用機構の一つにNK活性の亢進のあることが示唆された.