離婚・再婚家族と子ども研究
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日本語版MCS-DRの因子構造,信頼性,妥当性の検討
青木 聡
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2020 年 2 巻 p. 2-12

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抄録
本研究の目的は日本語版Multidimensional Co-parenting Scale for Dissolved Relationships ( 日本語版MCS-DR) を作成し,信頼性と妥当性を検討することであった。分析対象者は離婚後5 年以内で未成年の子どもがいて,月1 回以上の定期的な面会交流を実施している同居親175 名と別居親149 名の合計324 名であった。まず,日本語版MCS-DR の因子構造を検討するために,探索的因子分析と確認的因子分析を行った。その結果,日本語版MCS-DR には原版と同様の4 因子構造が見出され,適合度も良好な水準であった(CFI =.964, RMSEA = .055, SRMR = .078, GFI = .960, AGFI = .921)。また,日本語版MCS-DR 各因子の内的一貫性を確認するためにα 係数とω 係数を算出し,再検査信頼性を確認するために級内相関係数(ICC)を算出した。妥当性は日本語版コペアレンティング関係尺度(CRS-J)との相関分析,同居親群と別居親群の下位尺度得点の平均値差の分析(Welch検定)により検討した。その結果,日本語版MCS-DR に十分な信頼性と妥当性が確認された。
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© 2020 日本離婚・再婚家族と子ども研究学会
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