日本再生歯科医学会誌
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原著論文
活性型ビタミンD存在下でのBMP-2刺激が骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞のビタミンD受容体発現に及ぼす影響
吉川 美弘川本 章代廣田 秀逸加山 智規竹山 旭鎌田 愛子田村 功合田 征司堂前 英資小正 裕岡崎 定司森田 章介池尾 隆
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2014 年 12 巻 1 号 p. 2-10

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抄録
活性型ビタミンD(1,25(OH)2D3)は骨芽細胞を介して,骨吸収を司る破骨細胞の分化と活性化を促進する.この作用はin vitroにおいて骨誘導タンパク質(BMP)-2との共刺激によりさらに促進されることが知られている.この機序を明らかにするために,1,25(OH)2D3とBMP-2を添加した際の,骨芽細胞が発現する破骨細胞分化誘導因子のRANKL,およびビタミンDレセプター(VDR)のmRNAとタンパク質の発現の変化について検討した.骨芽細胞様細胞MC3T3-E1を1,25(OH)2D3 (10−8 M)とBMP-2 (100 ng/mL)で共刺激すると,1,25(OH)2D3 (10−8 M)単独刺激に比べて,RANKL mRNA発現は有意に高値を示した.同様に,VDR mRNAとタンパク質発現も有意に高値を示した.1,25(OH)2D3存在下で,BMP-2が骨芽細胞のVDR発現を上昇させ,その結果,1,25(OH)2D3の作用が増強しRANKL mRNA発現を上昇させ,破骨細胞の分化と活性化が促進される可能性が示された.
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© 2014 日本再生歯科医学会
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