抄録
本研究は,メラトニンが象牙質の組織構造や石灰化へ及ぼす影響,また成長線の周期性との関連を組織学的,免疫組織学的及び分析学的に検討することを目的とした.本研究には出生後5日,6日,7日齢のSDラットを用いた.これらのラットを,①対照群,②メラトニン低濃度群,③メラトニン高濃度群の3群に区別した.対照群では二本のヘマトキシリンに濃染された成長線とヘマトキシリン淡染層が観察された.メラトニン投与群では成長線の間隔が狭くなっていた.メラトニン投与群の臼歯象牙質中層と切歯象牙前質に,新たな成長線が認められた.メラトニン受容体抗体染色標本では,対照群の象牙芽細胞でMTR2の発現が認められた.メラトニン投与群では発現がより強く発現していた.SEM-EDS分析やEPMA分析ではメラトニン投与群において,Ca及びPの含有量が増加していた.メラトニンが象牙質の成長線の形成や石灰化機構に関与していると考察した.