抄録
チタンに有機質薄膜hexamethyldisiloxane (HMDSO) をコーティングした後, 酸素プラズマ処理を施し, 表面エネルギー (接触角) の測定を行った. また, 骨芽細胞様細胞RBMの培養を行い, 細胞の増殖傾向およびALP活性を評価すると同時に, 細胞形態のSEM観察を行った. その結果, コーティングしたままの表面は疎水性を示し, 細胞増殖率は小さかった. しかし, コーティング後酸素プラズマ処理を行うことにより超親水性を示し, この表面上ではチタンより骨芽細胞様細胞の増殖速度が大きく, またALP活性が早期に発現した. 以上の結果より, HMDSOのコーティングとその後の酸素プラズマ処理はScaffold表面の骨形成に有効な表面処理であることが明らかとなった.