日本再生歯科医学会誌
Online ISSN : 1880-0815
Print ISSN : 1348-9615
ISSN-L : 1348-9615
原著論文
性差と年齢による歯肉縁下歯石の形態と組成の変化
三島 弘幸北原 正大宮元 沙織田中 和夫大久保 厚司西野 彰恭大野 由香中石 祐子野村 加代和食 沙紀見明 康雄
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 7 巻 1 号 p. 34-46

詳細
抄録
本研究では男性と女性の10~70歳代の歯肉縁下歯石を用いて,男女の性差や加齢変化に伴う組織構造及び組成変化の比較検討を行った.歯石は男女共に10~60歳代までは白色が多く,70歳代では黄色が多かった.内部構造では,女性で層状構造が明瞭で内・中・外層において色の違いがみられた.内部の結晶形態では,男女共に10~20歳代では球形を呈し,30~70歳代では不定形な形を呈していた.顆粒径は男女共に10歳代が一番小さく,40歳代が最大でそれ以降からは徐々に小さくなっていった.EPMA分析では構成元素の含有量の多い順からCa,P,Na,Mgとなっていた.Ca/P比では,男女共に10,20,40歳代と比べて70歳代の方がCa/P比が高かった.層状構造している歯石において,EPMAの線分析では明帯と暗帯において,暗帯の方が明帯よりMgが多く含まれていた.X線回析法で歯石の結晶組成を同定したところ男女共に10,20,40,70歳代でHAが検出され,他に10,20,40歳代の女性でOCP,Wが検出された.
著者関連情報
© 2009 日本再生歯科医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top