2020年,大学入試の変革期を迎えている日本,中国,韓国においては,大学入試改革の遂行にCOVID-19対策という新たな課題が加わる事態となった。本研究では,日本,中国,韓国において,大学入試,とくに共通試験において,どのようなCOVID-19対策が行われたかについて比較検討した。その結果,日本,中国,韓国はコロナ禍においても共通試験を実施または実施予定であった。中国は例年より1カ月延期して7月,韓国は2週間延期して12月に実施された。日本は当初の通り1月に実施される予定だが,日程の追加がなされた。共通試験の実施に向けて,各国ではCOVID-19防止対策を講じているが,国の感染状況によりその対策に違いがみられた。こうした異同の背景について,「公平性の確保」と「適切な能力の判定」という観点から考察した。