法科大学院適性試験が測定している能力や特性について実証的に検討するために,いくつかのテストや質問紙尺度との関連について調べた。その結果,第1部,第2部とも基本的な論理判断能力や語彙力と関連が見られた一方で,日常的な意識や態度に関する尺度とは関係が見出せなかった。特に「推論・分析力」を測定するための第1部は論理判断能力,「読解・表現力」を測定するための第2部は語彙力と強く関連しており,それぞれの下位テストがほぼ意図通りに機能していることが示唆された。さらに,異なる年度の試験で論理判断能力と語彙力との関係について追試を行ったところ,同様の結果が得られたことから,法科大学院適性試験が測定している能力はある程度安定していることが示唆された。