本研究は,実際に受験した面接試験の印象を形成する受験当事者の心理的メカニズムを検討した。その結果,「面接試験肯定感」「試験後達成感」を中心とする面接試験の印象には,構造的要因に関する試験実施手続きよりも,面接者の受験者への接し方や面接試験の雰囲気といった「社会的要因」に関する手続きに対する認知が直接的にも間接的にも影響を与えていることが示された。また,面接試験を受験した「面接受験者」と受験しなかった「面接非受験者」の面接試験一般に関する公平・公正性の認識および親和性の程度の比較では,前者において,公平・公正性認識,親和性ともに高いことが確認され,受験者集団によって面接試験に対する認識の素地が異なることが示された。