日本テスト学会誌
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展望論文
わが国の国家試験における試験問題公開の現状と傾向
若林 昌子杉光 一成
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2013 年 9 巻 1 号 p. 165-183

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抄録

わが国の公的な大規模試験では,実施した試験問題を公開する実務は,「日本的テスト文化」の特徴の1つとして挙げられている.背景の1つには,総務省が勧告によって,国家試験の試験問題について一律に公開を要請していることあると考えられる.しかし試験問題公開の状況については,これまで,総務省等が国家試験について部分的に調査した報告があるのみで,網羅的には調査されていなかった.

そこで本研究では,国家試験について,試験問題公開の状況を網羅的に調査し,基本設計に関わると考えられる試験の仕様との関係を比較した.その結果,必ずしもすべての試験が実施した試験問題を公開しているわけではなく,非公開にしている試験が複数あることがわかった.そして,試験問題を公開している試験群と非公開にしている試験群を比較すると, 1)年間実施回数, 2)合否基準公表の時期, 3)受験手数料について,反対の傾向があることが示唆された.

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