視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
第19回視覚障害リハビリテーション研究発表大会in東海
セッションID: O2-3
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口頭発表
中途視覚障害者の筆記行動を支援するための提案_II_
―予診票作成システムと施術録作成システムの開発―
*伊藤 和之江崎 修央加藤 麦谷口 勝清田 公保内村 圭一
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抄録
【目的】  本研究は、日常生活・学習・就労の場面における自立を目指す中途視覚障害者の筆記行動を促進するリハビリテーション・サービスの創造の一環として、鍼灸等臨床時の予診票作成システムと施術録作成システムの開発を目的とする。本システムは、予診票作成から、医療面接、施術録作成までの流れをより円滑にするとともに、文字入力の選択肢の拡大を目指している。
【方法】  予診票作成システムは、初診患者の手書き情報をデータベース化する。システム開発には、市販のデジタルペンシステムを活用した。これはデジタルペンとメモリユニットを搭載した専用バインダで構成されている。バインダとデータ登録用端末をUSB接続し、文字認識処理を図る。予診票の検索や閲覧は、キーボードもしくはデジタルペンの操作でできるようにした。  施術録作成システムは、臨床実習生が予診票の情報を検索し、医療面接と施術録の内容をデジタルペンで記載する想定で開発する。そして、記載内容のデータベース化と音声化の実現を図ることとした。開発と試行は、国立障害者リハビリテーションセンター施術室で実施した。
【結果】  予診票作成システムは、2009年11月から1ヶ月間試用した。新規患者10名の予診票のうち、7名分のデータベース化が成功した。施術録作成システムは2009年12月から臨床実習生に協力を仰ぎ、試用を始めている。実習生はシステムの操作説明のみを受け、予診情報の検索、デジタルペンでの施術録入力を試みた。現在、文字認識処理まで実現している。
【考察】2つのシステムは、長期間の特別な練習を必要としない点が特徴として挙げられる。予診票作成システムの文字認識エラーは、受付係がシステムの操作手順に慣れるに従い改善された。施術録作成システムも、操作手順のみの理解で使用可能であることが見込める。今後、キーボード入力との共存を図り、利便性を高める方針が得られた。
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© 2010 視覚障害リハビリテーション協会
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